杉沢村伝説と行政記録の照合
青森県の山中に存在したとされる「杉沢村」。昭和の大合併記録や国土地理院の旧版地形図、1990年代テレビ番組の演出史を照合し、地図から消された村というモチーフの真相を辿る。
都市伝説、ネット怪談、学校の怪談、噂の初出や変遷を追い、確認できる記録と後世の脚色を整理します。
当領域では、口裂け女や杉沢村、きさらぎ駅、くねくね、八尺様など、口承・大衆メディア・インターネット電子掲示板から誕生した噂や怪談を調査対象とします。不思議録では、単に恐怖を煽るまとめではなく、噂が最初に登場した一次発信源(スレッド初出ログや同時代雑誌・新聞)を特定し、伝播の過程でどのような脚色や地域バリエーションが付加されたのかを客観的に検証します。怪談が社会背景や集合心理を反映して変容していくメカニズムの解明を目指します。
平田篤胤が少年・寅吉の天狗体験の語りから『仙境異聞』の異界像をいかに構築したか、資料の比較と背景思想から徹底検証する調査ルポルタージュ。
今昔物語集に記された羅生門の鬼譚は、平安京の都市インフラ崩壊や治安悪化、死体遺棄の実態とどう結びついているのか。発掘調査や公卿日記などの史実から検証する。
1989年後半に首都圏の高速道路から始まったとされる人面犬の目撃談。深夜ラジオや口頭伝承を媒介にいかに全国的ブームへ変貌したのか、民俗学的背景と資料の限界から検証する調査ルポルタージュ。
1979年春に岐阜のローカルな噂から始まった口裂け女が、どのように全国紙の社会面を経て日本全土のパニックへと形成されたのか、当時の記録とタイムラグを検証する調査ルポルタージュ。
2001年の2ちゃんねるオカルト板で発生した鮫島事件を対象に、実体のない架空のタブーが参加型巨大怪談へと変貌したプロセスを社会学的視点から検証する調査記録。
小松左京の言説を出発点として実体のないまま拡散した「牛の首」。その恐怖の都市伝説化の背景と、民俗学的・歴史的資料の間に横たわる空白の真実に迫る調査記録。
昭和戦後初期の木造校舎と汲み取り式便所を舞台に、「トイレの花子さん」という怪談の原型がいかに発生し、子ども社会の口承を通じて全国へ定着したのかを歴史資料と社会心理から検証する。
2005年の匿名掲示板に突如出現したネット怪談ヒサルキ。その初出記録の軌跡をたどりつつ、山間部の古い民間信仰や山の神の伝承がいかにして結びついたのか、資料的限界と未解決の謎を検証する。
カシマレイコ伝説は1970年代の学校怪談として流行したが、戦時中の空襲や事故の記憶とどう結びついたのか。一次資料の不在や諸説の対立からその真相と検証の限界に迫る調査記録。
「ベッドの下の男」という恐怖譚がいかにして近代都市の住居構造と結びつき、日米の怪談として定着したのか。民俗学の記録と時代背景からその真実に迫る調査記録。
2001年の匿名掲示板に残された初期の書き込みがいかにして定型の現代怪談「無限回廊」へと構築されたのか。当時のログや資料の変遷を基に、集団的オーソアリングの過程と検証限界を徹底調査する。
2004年にネット掲示板に投稿された『きさらぎ駅』の体験談について、当時の遠州鉄道の運行ダイヤおよび地理的条件から検証する。全線約17.9kmの単線路線における所要時間や、存在しないトンネルの描写など、客観的記録と証言の間に存在する決定的な乖離を多角的に分析する。
ネット掲示板発祥の怪談「コトリバコ」に登場する呪具の禁忌設定。山陰地方の郷土史料や民間信仰の記録と照合し、実在の歴史的記憶がフィクションの補強材となった構造を整理する。
ネット掲示板に出現した怪談「くねくね」は、なぜ田園風景を舞台にしたのか。農林水産省の地理統計とアーカイブ記録から、視覚的錯覚と都市伝説の定着背景を検証する。
固定電話からポケットベル、携帯電話へと通信インフラが急速に変化する中で語り継がれた「メリーさんの電話」。交換機や位置情報技術の変遷と都市伝説の進化を照合する。